「どうなされたのですか」
選択肢
【いつもありがとう】
【おっぱいを揉む】
↓
【いつもありがとう】
「あっ……」
一瞬、少女の動きが止まった。
どう反応して良いかわからないといった様だった。
珍しい、と思った。
だがその後に。
「ありがとうございます」
少女は微笑んだ。
「あなたにそう言ってもらえて、嬉しいです」
透き通るような微笑み。彼女の感謝の気持ちが零れ出るような優しさがあった。
そして――
「ありがとうございます」
彼女は俺に感謝の言葉を伝えた。
こちらもお礼を言われてしまった。
感謝の言葉を言ったら、感謝の言葉を返された。
少しむずかゆい。しかし心が洗われたような気分でもあった。
人の反応は鏡みたいなものかもしれない。
感謝を伝えれば相手も感謝を伝える。
最もこの娘はどんな感情をぶつけても優しい反応を返してきそうだが。
実際、彼女はいつも優しい。優しすぎるほどに。
それでも俺は、今回この言葉を言って良かったと思う。
「感謝はいいな」
俺はそう言った。
この選択が正しかったのかはわからない。だが
――それもまた良し。