討滅の蒼風が放たれる。
「GAAAAAAAAAッ!!」
滅裂する魔の軍勢。
国敵討滅の風が禍を一気に薙ぎ払った。
「なっー!」
凄絶な威力にくノ一は息を飲んだ。
高い耐久力を持ち、彼女達の攻撃をしのいだ禍を一撃で倒したのだ。
□
「Gggg……」
魔が嘶く。
魔の戦闘本能は草薙を明確な怨敵として照準を定める。
「Gaaaa!!」
恐るべき勢いで突進をかける。
それも一体ではない。
四方八方から同時に進撃を開始。その質量と速度、一体一体が尋常ではない。
草薙が抜けられれば、周囲のくノ一達さえもズタズタに轢殺するであろう。
大気を震わせ、地を破砕し進撃する
魔軍の突進に向けて
「――」
草薙は正面から突進した。
□
神理<虚刃>発動。
蒼き風の刃がマガを切り裂く。
直撃した刃は毒々しき魔の体表を
両断。
鋼の強度を誇る体が飛び散った。
マガの突進速度はマガ自身のダメージとして乗算され、瀑布の勢いで血風が舞う。
「gaaaaaaa」
両断された上半身は毒物の血を撒き散らす。
その上半身をためらいなく掴み投擲。
豪速投手もかくやの勢いで巨大質量の半身が舞う。
「ギガアアァァッ!?」
魔物が粉々に砕け散り血が飛散。
血濡れの戦場が新たな血で洗われる。