蒼き風の刃がマガを切り裂く。
直撃した刃は毒々しき魔の体表を
両断。
鋼の強度を誇る体が飛び散った。
マガの突進速度はマガ自身のダメージとして乗算され、瀑布の勢いで血風が舞う。
「gaaaaaaa」
両断された上半身は毒物の血を撒き散らす。
その上半身をためらいなく掴み投擲。
豪速投手もかくやの勢いで巨大質量の半身が舞う。
「ギガアアァァッ!?」
魔物が粉々に砕け散り大量の血が飛散。
血濡れの戦場が新たな血で洗われる。
――號っ!!
新たな禍が戦闘不能になった仲間を食いちぎり草薙へ接近する。
「うるっせえぇぇぉーー!!」
野獣の様な荒々しさで草薙は頭突きをぶちかました。
「Gyyyyy」
うめき声をあげ。マガの動きが止まる。鉄の耐久力をもつマガの膝が折れた。
「うっ――とぉしいんだよおぉ!!」
勢いをのせ半身を回転回避。
至近距離でふりおろされた肘の降り下ろしマガの頭蓋を破壊する。
魔の前衛と後衛のを瓦解。
その戦陣を俯瞰し、神理を高速展開。
「<虚>撃ちてし止まぬ――」
紡ぐ。
「――葬討の刃」
瞬間、顕現する破壊の嵐。
嵐が吹きすさぶ、禍を吹き飛ばす。
虚神は神理を紡ぐ。紡がれる風の神理は風守の守るたてとなり、敵を討つ刃となる
蒼の風が禍を両断した。
くノ一達を止めをさそうとしていた禍が血だまりに沈んだ。
「なんて戦い方……」
くノ一達は驚きの声をもらした。
草薙の風はくノ一達が歯が立たなかった禍を次々と倒していく事実。
そしてその戦い方だ。
闘法や在り方など、手段でしかないというもの。
敵を滅ぼすという事にのみ専心している。
□
――国敵討滅