(卵かけご飯を食うか)
今日はたまごかけご飯を食べよう。
草薙はそう思った。
草薙はまず、ご飯を茶碗によそった。
白いご飯、暖かい白米茶碗に盛り付ける。
(うまそうだな、やはり白いご飯はいい)
草薙は茶碗に盛り付けたご飯を見た。
ご飯に白い湯気が立っている。
柔らかなふんわりご飯である。
(次は卵だ)
草薙は卵を手にした。
卵を割る。
パカリ。
卵が割れた。
卵の黄身と白身が椀に落ちる。
(うむ)
綺麗だ、と思う。
白いご飯に卵。
昔から親しまれてきた日本の食べ物である。
(今日は……醤油をかけるか)
醤油。日本古来の調味料。
卵にあう調味料である。
草薙は醤油をつかんだ。
お椀に広がる黄色のふんわり卵
トロリとした生たまごの黄身と白身にトクトクと醤油を注ぐ。
卵の黄に、醤油の黒がたまる。
草薙は箸をとり、醤油と卵をかきまぜた。
醤油と卵黄が混ざりあい、美味しそうな色になる。
トロトロの黄金の卵に、古来からの調味料である醤油。
いい組み合わせである。
草薙は卵をご飯にかけた。
白い米に、黄色い卵が混ざっていく。
卵かけご飯の完成である。
(いただきます)
草薙は卵かけご飯を食べる。
その味は……
(日本の味だな)
白いご飯と黄色い卵、
その単純な組み合わせは、日本の味といっていいだろう。
何度食べてもおいしいのだ。草薙はそう思う。
たんぱく質と炭水化物の組み合わせもいい。
ご飯が進む。
単純な料理、単純な味。
だがそれがいい。
金がかからない手間もかからない。
だがうまい。
そんな卵かけご飯が草薙は好きだった。
多くの日本人に親しまれてきた卵かけご飯の味はやはり――
(うまい)
草薙は卵かけご飯を食べた。
単純な料理。だが――
それもまた良し