短編 試文

【悲報】只の日本人、草薙悠弥さん。休みに会社に来てしまう

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「なにいいいいぃ!!」

朝、草薙悠弥はたいそうビビった。

会社が閉まってる!

「ばんなそかな!!」

草薙悠弥は出勤していた。
いつも風のように生きる草薙だが、
派遣で働く時もある。
そして今日も日本人らしく遅刻せずに勤勉に働いちゃうぞとした時……悲劇は起こったのが

「会社が閉まってる!!」

建物が閉鎖している。
キーを持ってるので入れるといえば入れる。だがこの時点でいつもと違う。
案の定、
いつもはガヤガヤしてる勤め人らしき人の姿もない。

(こ、これはまさか……)

これはまさか……

「休みと気付かず来てしまったか!?」
悲報、草薙悠弥休祝日に出勤してしまう。

(あほな今日が休みなんてそんな予兆は……)

草薙は朝の事を思い出していた

◆~少し前

「電車の時間……こんなだったか」
いつもと電車の時間が違う気がする。
数分、ズレがある気がしたのだ
まぁそんな事もあるかと草薙は電車を待った。
(人、少ないな)
並ぶ人間が少ない。
いつもと違う朝である。

昨日帰ってきたのは、夜中の一時頃。
働いていたのだ。連日色々やった疲労や考える事もあった。
大きな正直頭はあまり回っていない。

電車がくる。
(今日は余裕で座れるな)

並ぶ人がいない事もあり、余裕で座れる。
草薙は端にすわった。

シャッターがしまった街が通りすぎていく。

今日はいつもより電車に乗る人間が少ない気がする。

また、勤め人らしき人間の数が少ないのだ。

いつもと違う朝である。

(めっちゃあったやんけ!!)
今日が休みの日の前フリめっちゃあったやんけ!!

改めて整理するまでもないが、電車は
休日ダイヤであり、勤め人がいないのも今日が休みだったからなのだろう。

(間違いない、今日は休みだ)
つまり、草薙悠弥は休みの日に職場にきてしまったのだ。
連絡して、今日出勤させてもらおうかと思ったが、底辺派遣の身で急にそれは難しい。
というか草薙は色々あって、残業や休日出勤は控えめにするよういわれてる位であった。

(馬鹿もんや……)
つまりは無駄足である。

(ワイは大馬鹿もんや!!)

草薙は関西弁で己をののしった。

(無駄足やんけ……)

草薙は関西弁で落ち込んだ。

(休み……)
だがなんだか……

(休み……)
心動くものがあった。

(そうか、休みか)
少しワクワクする。

(今日は……休みか!!)
得した気もする。

草薙はある話を思い出す。

学校でも今日学校あると思っていったら、その日は休みだった。
本当は働くはずだったが思いがけず……実は休み!!
それがなんだか心地よいという話である。

草薙は建物を出た。

(帰って……寝るか)

草薙、あなた疲れてるのよ。
体と頭を休めよう。

途中から休日とわかった朝と、あらかじめ休日と知っていた朝は違う。

なんというか、特別感があるのだ。

独特の心地よい倦怠感と解放感があるのだ。

休みの日に会社に来てしまう。

――それもまた良し

爽やかな朝。
独特な解放感のある朝。

草薙は帰路についた。

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