
「しゃちんっ」
まる秘ちゃんが現れました。
いつもまぁるい雰囲気。でもどこか物悲しげで深刻な様子です
「どうしたんだいまる秘ちゃん?」
しゃちん君の胸に苦しさが湧き上がりました。
「ボクは半透明になってしゃちんを見守ってるお」
まる秘ちゃんはどこか少し寂しそうでした。
まるで別れを予感させるような寂しさがありました。
しゃちん君はギュッとまる秘ちゃんを抱きしめようとしました。
でもその手は届きませんでした
「あれっ⋯⋯」
しゃちん君がいくら手を伸ばしても届きません。
「なんで、なんでだおっ」
しゃちん君は泣きそうになりました。ポロポロポロポロつおがりだけは一人前のしゃちん君の目から涙がこぼれていきます。
「大丈夫だおしゃちん。しゃちんが大好きなまる秘は、今のボクはここにおいていくお⋯⋯半透明になって見守ってるお」
――この先なにがあっても
そうやってまる秘ちゃんは消えていきました。
―――――――――
「よいちょっよいちょ⋯⋯」
しゃちん君は前に進んでいました。
「よいちょっ⋯」
ボロボロ、傷だらけ。まるっこい体は痛みつおがった体はけちょけちょでした
「よっ⋯⋯」
いまにも倒れそうです。
このままでは死んでしまいます。
ただ、それでも
「しゃちんは⋯」
しゃちん君は進みます。
もうつおがる理由もないはずなのに。ボロボロでも歩きます。
あの時残った 、しゃちん君が大好きな半透明のまる秘ちゃんを信じて