「今日も……」
食べて応援だ。
「今日は……」
草薙は目の前のキラキラな黄色い甘味を見た。
(これはあの伊豆のクラファンのものだな)
草薙悠弥はたまに日本のクラファンに支援して日本を応援しちゃう日本人である。
日本要素薄い時もあるけど許してねてへぺろではあるが細かい事はどうでもよろしい。
前に支援したのは静岡県、伊豆。ここのみかんに関わる業者の助けてくださいというクラファンに草薙はささやかながらお金を出して支援した。その結果、送られたのが伊豆のみかんやみかんゼリーである。前に草薙はそのうちのみかんを食べた。うまかった。それに気をよくした草薙。今回は残しておいたゼリーを食べようという事なのだ。
「おだっくいのー(方言)」
お調子者である。うーん、この日本人。
「でもまぁ、大事な事だ」
一転、真面目テンション。
このクラファンはある意味で障害者支援をかねているといえた。
今回のみかん、みかんゼリーなどの生産等はそれらの雇用安定を担っている面がある。
大陸からの被害もあり、地方は大きな打撃を受けた。
草薙が支援したこの会社も経営が苦しくなった。故に
「食うぞ」
食べて応援である!
ゼリーは複数あった。
典型的なみかんのような濃い黄色のみかんゼリー。
他にもグレープフルーツをおもわせる色のだいだい等のみかんゼリーもあった。
(これにするか)
草薙は典型的なみかんという風のゼリーを手に取った。
(伊豆のみかん、か)
伊豆のみかんゼリーをよく見る。
(寒天で固めてるみたいだな)
和風だ、と草薙は思った。
みかんと寒天、クエン酸が入っているようだ。
「♪」
小気味よくゼリーの封を開ける。
瑞々しいみかんゼリーがのぞく。
草薙は伊豆のみかんゼリーを飲むように食べた。
(……いいな)
爽やかだ。
甘酸っぱい。
染み透る甘酸っぱさが気を爽やかにするような心地だった。
(伊豆のみかんゼリー、中々いい甘さだ
ぞ)
草薙が好きなのは和歌山のみかん。
だがこの伊豆のみかんも
(いいものだ)
そう思いつつ飲む。
爽やかな甘さが染み渡っていく。
(頑張れよ、静岡)
(頑張れよ、伊豆)
草薙はこうして、食べて日本を応援。
それはささやかなお金、ささやかな支援。だが――
「それもまた良し」
草薙は日本の静岡、伊豆を応援したのであった。